【東京都】令和7年 事業環境変化に対応した経営基盤強化事業をわかりやすく解説します

【東京都】令和7年 事業環境変化に対応した経営基盤強化事業をわかりやすく解説します

東京都では、経営の基盤を強化したいと考える東京都内の中小企業に向けて、助成金制度を設けています。その1つが「令和7年事業環境変化に対応した経営基盤強化事業」です。

新型コロナウイルスや物価上昇、アメリカの関税政策などの影響により、売上が減少してしまった企業が、生産性向上や新商品・新サービスの提供を行う為に必要な設備投資を行う際に利用できる制度です。本記事では、助成金の概要や申請方法、公募スケジュール、受給までの流れをわかりやすく解説します。

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目次

事業環境変化に対応した経営基盤強化事業の概要

東京都内の事業者の深化や発展を応援する制度

事業環境変化に対応した経営基盤強化事業は、経済的な打撃を受けた中小企業を支援する目的で設けられたものです。たとえば、売上が落ち込んでしまった企業が、新しい機械を導入して業務の効率化を目指したり、新商品を提供するために生産用の機器を購入したりするときに、機器の導入計画や導入効果を検討し、助成金を申請することで、機器の購入にかかる費用の一部を東京都が補助してくれます。

これにより、企業は新しいチャレンジをしやすくなり、経営の立て直しや事業の成長に向けた取り組みを進めることができます。

申請できる事業

申請できる事業は2つに分類され既存事業の「深化」と「発展」という言葉で示されています。

既存事業の「深化」とは経営基盤の強化のために既に営んでいる事業自体の質を高めるための取組とされ、具体的には“従来使用してきた機器よりも高性能な機器や設備の導入等により競争力強化や生産性の向上を目指す事業”がこれに当たります。

既存事業の「発展」とは経営基盤の強化のために既に営んでいる事業を基に、新たな事業展開を図る取組とされ、具体的には“新商品を提供するために生産用の機器を購入する事業”等がこれに当たります。

令和6年度は「新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業」という名称で公募が行われており、令和7年度のこの制度はその後継制度です。

申請にあたっては、事業計画の内容や経営改善の見込みなどが審査され、一定の基準を満たした事業が採択されます。

事業環境変化に対応した経営基盤強化事業の助成上限額は800万円・助成率は2/3

事業環境変化に対応した経営基盤強化事業では、1件あたり最大800万円までの経費が助成対象となります。助成率は2/3であるため、たとえば1,200万円の設備投資を行った場合、そのうち800万円までを助成金として受け取ることができます。自己負担は1/3となるため、企業にとっては大きな経費負担の軽減につながります。この制度を活用すれば、従来では難しかった投資も、現実的な選択肢となる可能性があります。

さらに、要件に合致する賃上げ計画を立て、実行する事業者は助成率が3/4にアップします。

対象者は売上が減少した中小企業

助成の対象となるのは、一定期間において売上が減少した中小企業です。具体的には、①~③のいずれかに当てはまることが必要です。

  • 直近決算期の売上高が、「2023年の決算期以降のいずれかの決算期」と比較して減少していること
  • 直近決算期において損失を計上していること
  • 米国関税措置による影響により、次期決算期の売上高が、直近決算期の売上高と比較して 減少することを見込んでいること

また、東京都内に事業所を有し、都内で事業を行っていることも必要です。個人事業主も申請可能ですが、納税地が都内にあることが必要です。

補助対象経費

助成の対象となる経費には、機械装置や工具の購入費、業務の効率化を図るためのIT導入費用、販路拡大にかかる費用などが含まれます。たとえば、製造業で新たな生産ラインを設けるための機器購入費や、業務をデジタル化するためのシステム導入費などが該当します。ただし、汎用性が高く事業専用と見なされないもの(例:パソコン、スマートフォン、複合機など)は対象外となるため、申請前に詳細な確認が必要です。

出典:事業環境変化に対応した経営基盤強化事業 【助成金募集要項(一般コース)】(令和7年度第1回)|https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/jigyo/kankyo-ippan/uu7kh9000001bytz-att/R7jigyokankyo_ippan_boshuyoukou_01.pdf

事業環境変化に対応した経営基盤強化事業は採択制の助成金

この助成金制度は、申請すれば必ず受けられるわけではありません。応募された事業計画は、東京都が設けた基準に従って審査され、内容の優れたものから順に「採択」されます。採択されなかった場合は助成金を受けることができません。そのため、申請にあたっては事業の目的や効果をしっかりと整理し、わかりやすく計画書にまとめることが重要です。

事業環境変化に対応した経営基盤強化事業の第1回公募は5月2日から5月14日16時まで

令和7年度の第1回目の公募は、2025年5月2日から5月14日16時までです。申請期間中に必要書類をそろえてオンラインで申し込みを行う必要があります。先着順ではなく、期間中の申請は全て受付が行われます。

事業環境変化に対応した経営基盤強化事業は年間を通じて複数回の公募が行われます。公募は2か月に1度の頻度で実施される予定で、第1回の募集で採択されなくても、次の公募に再チャレンジすることが可能です。そのため、初回で準備が間に合わない場合でも、あきらめる必要はありません。公募スケジュールを確認して次回の公募に備えましょう。

募集回申請受付期間
第1回令和7年5月2日~5月14日
第2回(予定)令和7年7月1日~7月14日
第3回(予定)令和7年9月1日~9月12日
第4回(予定)令和7年11月4日~11月14日
第5回(予定)令和8年1月5日~1月14日
第6回(予定)令和8年3月2日~3月13日

ただし、公募ごとに要件やスケジュールが変更されることもあるため、東京都中小企業振興公社のウェブサイトで最新情報を確認することが大切です。

申請から助成金の受給までの流れ

助成金の受給には、いくつかのステップがあります。まず、必要なIDの取得から始まり、申請書類の作成・提出、審査、事業の実施、実績報告、助成金の支払いという流れになります。各段階で定められたルールや期限があるため、スケジュールをしっかり管理することが重要です。また、助成金は後払いであるため、最初に必要な費用を企業自身で用意しておく必要があります。

申請にはgビズIDの取得が必須

助成金の申請はオンラインで行うため、「gビズIDプライム」というアカウントを取得しておく必要があります。GビズIDは申請書の提出だけでなく、今後のやり取りにも使用されるため、必ず早めに準備しておきましょう。取得には1~2週間かかることがあるため、申請を予定している企業は、募集開始前に手続きを済ませておくことをお勧めします。

審査は書類審査と面接審査

申請された内容は、まず書類審査で確認されます。その後、通過した事業については面接審査が実施されます。書類審査でも面接審査でも審査の観点は同じで、「発展性」「市場性」「実現性」「優秀性」「自己分析力」の5つです。数字だけでなく、どのような目的で事業を行うのか、社会や地域にどう貢献できるのかを明確に説明する必要があります。

事業実施と実績報告

審査を通過して採択された場合、助成対象事業を実施することになります。事業の実施期間内に、申請した内容に沿った投資や取り組みを行い、完了後には実績報告書を提出します。報告書には、費用の明細や成果の内容、写真などの証拠資料を添付する必要があります。不正な支出や計画からの逸脱があると助成金が支払われないこともあるため、事業実施中は記録を正確に残すことが重要です。

なお、採択前に事業を実施(助成対象物品の契約・発注・支払い等)してしまうと、せっかく採択されても助成金が出なくなってしまいますので、その点は十分に注意しましょう。

賃上げ計画は事業実施後1年間取り組む

助成金の申請時に賃上げによる助成率の引き上げを希望した申請者は、助成事業終了後1年間にわたって賃上げの計画を実施する必要があります。助成事業終了時に助成額の通常の助成率(2/3)分を受給することができ、引き上げ分は賃上げ計画を実施し、その実績を報告した後に受給することができます。

賃上げが計画通りにできなかった場合には引き上げ分の助成金は受給できませんのでご注意ください。

申請サポートはSATO行政書士法人にご相談ください

事業環境変化に対応した経営基盤強化事業は昨年度も公募され、大変人気のある制度でした。令和7年度も賃上げが必ずしも必要ではなく、最大800万円まで助成されるため、狙い目の制度です。人気の高い制度は申請が集中し、採択のハードルが高くなる場合があります。採択のハードルを越えるためにも、申請する経費の選定や要点・審査項目を押さえた計画の策定が重要です。

SATO行政書士法人では昨年度も事業環境変化に対応した経営基盤強化事業の申請サポートを行っており、採択実績があります。初回の相談は無料で受け付けておりますので、申請を検討されている方ぜひSATO行政書士法人にご相談ください。

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