【100億宣言】中小企業加速化補助金の2次審査プレゼンテーション審査をわかりやすく解説

中小企業成長加速化補助金は、売上高100億円という大きな目標を掲げ、大規模な設備投資によって飛躍的な成長を目指す中小企業を支援するための補助金です。補助上限額は5億円、補助率は1/2と、事業の成長を強力に後押しする補助金制度の中では大規模な制度です。

しかし、最大5億円もの大型補助金であることから、申請要件が複雑で、提出書類やプレゼンテーションの質が採択の可否を大きく左右します。この記事では、書類審査を通過した事業者向けに行われる2次審査であるプレゼンテーション審査の概要とポイントをわかりやすく解説します。

中小企業成長加速化補助金の概要や申請方法、1次審査(書類審査)についてはこちらの記事をご確認ください。

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中小企業成長加速化補助金は書類審査を通過後にプレゼンテーション審査がある

中小企業成長加速化補助金は補助金の申請後、事務局及び有識者による書類審査・プレゼンテーション審査の2つの審査を経て採択事業者が決定します。

これまで行われてきた大型の補助金制度では書類審査のみで採択が決定するものもありましたが、中小企業成長加速化補助金ではプレゼンテーション審査という壁をもう1枚突破する必要があります。

プレゼンテーション審査はオフラインで開催

プレゼンテーション審査は、1次審査である書類審査を通過した事業者を対象として、事務局から各事業者に個別に日時を指定して行われます。書類審査を通過した事業者は本社の所在地毎に10ブロックに分けられ、事務局指定の会場にてプレゼンテーション審査に参加します。

会場本社所在地(都道府県)
北海道(札幌市)北海道
宮城県(仙台市)青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島
東京都(23区内)茨城、栃木、群馬、千葉、東京、神奈川、埼玉、新潟、長野、山梨、静岡
愛知県(名古屋市)愛知、岐阜、三重
富山県(富山市)石川、富山
大阪府(大阪市)滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山、福井
広島県(広島市)鳥取、島根、岡山、広島、山口
香川県(高松市)徳島、香川、愛媛、高知
福岡県(福岡市)福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島
沖縄県(那覇市)沖縄県

プレゼンテーション審査はオフラインで、申請事業者による申請資料を用いた事業説明(プレゼンテーション)15分、事務局や審査委員による質疑応答40分等の内容で約1時間行われます。

指定された日時にプレゼンテーション審査に参加しない場合は不採択となってしまいますので、予定を調整し、必ず参加しましょう。

審査に参加できる人数は最大4名

プレゼンテーション審査に参加できる人数は最大で4名で、経営者(代表権を有する者)の出席及び事業説明が必須です。申請事業者の役員や事業責任者が2名まで同席することができますが、補足説明のみが可能で、あくまでも事業説明は経営者が行わなければなりません。

また、補助金の申請時に「金融機関による確認書」を提出した事業者に限り、確認書を発行した金融機関の担当者が1名同席することができます。ただし、この場合でも補足説明のみ可能で、経営者に代わって事業説明はできません。

経営者1名・役員や事業責任者等2名・金融機関の担当者1名の合計4名までがプレゼンテーション審査に参加可能です。外部のコンサルタントや支援事業者は同席できませんので注意しましょう。

※プレゼンテーション審査の当日、会場で名刺と顔写真付きの身分証明書の確認が求められます。

【100億宣言】中小企業成長加速化補助金のプレゼンテーション審査で使用できるのは投資計画書のみ

プレゼンテーション審査の当日は、会場で事務局が準備したパソコンやスクリーンを利用してプレゼンテーションを行います。プレゼンテーション時に使用できる資料は申請の際に提出した「投資計画書(様式1)」のみです。他の補足資料や商品のサンプル等は使用できません。

また、プレゼンテーションの原稿やメモ等は持ち込むことができますが、申請者が持参したパソコンやタブレット、スマートフォン等は使用できません。そのため、予めプレゼンテーションや質疑応答に必要なものは印刷して準備しておきましょう。

審査委員は最大3名

プレゼンテーション審査では最大3名の審査委員による審査が行われます。審査委員はそれぞれ所属や属性が違う外部有識者により構成されます。審査の公平性を期すため、審査委員は会場ではなくオンラインで申請者のプレゼンテーションを聴講・審査します。

なお、審査委員は必ずしも自社が申請した事業分野の専門家であるとは限りません。そのため、できるだけ専門用語は使わずに、簡潔でわかりやすく説明を行うことがポイントの1つです。

プレゼンテーション審査のポイントは経営力・波及効果・実現可能性

プレゼンテーション審査は書類だけでは伝わりきらない事業者の熱意や実行力、計画の実現性を直接伝えることのできる重要な機会です。審査で重視される経営力・波及効果・実現可能性の3つの評価ポイントをおさえて説明を行うことが重要です。

経営力は自社のビジョンと経営戦略の説得力が必要

経営力・波及効果・実現可能性の3つの評価ポイントのうち、最も重要視されるのが「経営力」です。売上100億円を目指す明確なビジョンとそれを実現する具体的な経営戦略を簡潔に説明する必要があります。

また、売上高や成長率の数値は根拠をふまえて論理的に説明します。単なる「夢」や「構想」ではなく、裏付けのある現実的な戦略であることをアピールできるようプレゼンテーションを組み立てていきましょう。

波及効果は地域・社会への貢献度を説明

波及効果という項目では自社だけの計画ではなく、地域や社会全体への貢献度や貢献したいという思いを示す必要があります。

自社従業員への賃上げ実施はもちろんのこと、域内仕入の拡大、下請取引先等との適切な関係構築、BCP策定、女性活躍推進等の地域のモデル企業としての取組等、自社だけでなく、どのように地域・社会に貢献できるのか具体的に説明をしましょう。

実現可能性は社内外のリソースを駆使して具体的に説明

実現可能性という項目では、財務や人材、商品・サービスの強み等の社内リソースと金融機関を含めた社外の協力を駆使し、補助事業及び売上高100億円をどのようにして実現するか具体的に説明します。いつ、誰が、どのように事業を実行するのかをスケジュール立てて説明することで実現可能性を示していきましょう。

プレゼンテーション審査の準備は客観的な視点も必要

【100億宣言】中小企業成長加速化補助金のプレゼンテーションの準備をする際には、主観的な視点はもちろんのこと、客観的な視点で見ることも重要です。

審査委員は必ずしも自社が申請した事業分野の専門家であるとは限らないため、思わぬ質問をしたり、短い時間の中ではしっかりと理解してもらえなかったりする可能性が十分にあります。そこで、自社内や金融機関、補助金の専門家に客観的な視点で意見をもらうことはプレゼンテーションの質を高める有効な手段です。

特に金融機関や補助金の専門家は企業の経営計画を多く見てきているため、的確な意見を得ることができるでしょう。

まとめ

中小企業成長加速化補助金の2次審査であるプレゼンテーション審査は単なる発表会ではありません。

売上高100億円企業を本気で目指す経営者の想いと、緻密な実行計画を審査員に伝える重要な場です。審査員は、未来を描ける企業か、社会的意義のある投資か、実行力があるかの3点を冷静に見極めています。だからこそ、しっかりと準備を整え、審査に挑みましょう。

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SATO行政書士法人では、中小企業成長加速化補助金の申請時のサポートだけでなく、2次審査であるプレゼンテーション審査もサポートしております。想定問答集の作成はもちろんのこと、ご要望があればプレゼンテーション原稿の添削等も承ります。

また、中小企業成長加速化補助金の第1回公募では、申請のサポートをさせていただいた事業者は全事業者が書類審査を通過し、プレゼンテーション審査に進むことができました。次回公募の申請サポートも随時受け付けておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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