令和8年1月|行政書士法改正で業務制限規定が明確化!補助金申請支援のあり方が変わる

令和7年6月6日に行政書士法の一部を改正する法律が参議院本会議で可決・成立し、行政書士法の一部が見直されることになりました。施行は令和8年1月1日からです。

この改正では行政書士のデジタル社会への対応や特定行政書士の業務範囲の拡大、業務制限規定の明確化、両罰規定の整備等様々な内容が盛り込まれています。

その中でも業務制限の規定が明確化されることにより、補助金申請支援を行う事業者のあり方やサービスに大きな影響を与えそうです。

本記事では、行政書士法改正の内、「業務制限規定の明確化」という部分に焦点を当て、その内容と補助金申請支援への影響について解説します。

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目次

業務制限規定の明確化で違法な代行や無資格者への抑止力を強化

現在の行政書士法では、行政書士は他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類を作成できることが決められています。また、この業務ができるのは行政書士又は行政書士法人だけであるということが決めらています。

今回の改正ではこれらの規定に「いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」という文言が追加されることになります。

つまり、行政書士でない者(無資格者)がたとえ「手数料」や「コンサルティング料」など名称を変えて報酬を受け取ったとしても、お金をもらって官公署に提出する書類を作成すれば、それは違法であることが明確にされるのです。

これにより、無資格者が行政書士の独占業務に抵触する行為を抑制する目的があります。

業務制限規定の明確化の背景

近年、補助金申請をはじめとする官公署への手続は、電子申請の導入が進み、パソコンやスマートフォンを使って誰でもオンラインで申請ができるようになってきました。このような電子化の動きは、利用者の利便性を高める一方で、コンサルタント会社や代行業者等、支援を行う側の参入障壁を低くする要因にもなりました。

特に、コロナ禍以降は大規模な補助金制度の公募が相次ぎ、それに伴い補助金申請支援ビジネスも急増しました。中小企業診断士やコンサルタント会社なども積極的に参入しています。

これまでの行政書士法でも「報酬を得て官公署に提出する書類を作成できるのは行政書士のみ」と定められていましたが、実際の運用では次のような課題がありました。

  • 報酬の名目(コンサル料、会費など)が多様化しており、違法かどうかの判断が困難
  • 書類作成をして、その対価として報酬を受け取ったと明確に立証しなければ違法とされにくかった

このようにグレーゾーンが存在していたため、無資格の事業者が実質的に書類を作成して報酬を受け取るケースが後を絶ちませんでした。このような背景をふまえ、利用者が安心してサービスを利用できるようにするとともに、行政書士の業務が不当に侵害されることのないよう、行政書士法の改正が行われることになりました。

今回の法改正では、「報酬の名目は問わず」「業として報酬を得て書類を作成すれば違法」と明確にすることで、法の実効性を高める狙いがあります。

たとえば、サービス全体の中に書類作成が含まれており、報酬が支払われていれば、その報酬は書類作成の対価と推定されます。今後は「依頼を受けて書類を作った」+「報酬を受け取った」という事実があれば、違法と判断される可能性が極めて高くなったのです。

補助金申請支援は誰に依頼する?

「コンサルタント会社や中小企業診断士等には補助金申請支援を依頼できないの?」と感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

補助金の申請という行為は国や自治体等の“官公署”に書類を提出することですから、その申請に必要な書類である事業計画書や投資計画書等を作成する業務は行政書士の独占業務と言えます。

ただし、補助事業に対しての経営指導や事業計画にアドバイスを行うことはコンサルタント会社や中小企業診断士等も行うことはできるでしょう。そのため、「補助金申請支援」と一括りにしても、その具体的な支援内容を確認した上で依頼をすることが重要です。

特に中小企業診断士は、中小企業の経営状況を分析し、経営戦略や改善案を作成する専門家です。自社の経営状況を的確に把握し、経営を改善したり、売上を拡大したりするにはどのようにすべきか専門家の目線でアドバイスをしてくれます。補助金の活用においては、中小企業診断士等に自社の経営分析と経営戦略を策定を依頼し、補助金の選定や計画書の作成は行政書士に依頼するというように各専門家を適切に使い分けることが理想的です。

無資格の代行業者に注意

コロナ禍以降、補助金申請支援の需要が高く、様々な事業者が参入しています。令和8年1月1日から行政書士法が改正されても、無資格で補助金申請書類の作成代行等を行う事業者は存在するでしょう。

無資格事業者に支援を依頼してしまった場合には、せっかく補助金が採択されても、採択が取り消されてしまうというようなリスクも考えられます。そのため、補助金申請支援を依頼する際には支援の業務範囲や資格の有無をしっかりと確認するようにしましょう。

まとめ

行政書士法の改正により、資格のない人が報酬をもらって補助金申請の書類を作ることが厳しく規制されます。

これからは、補助金の支援をする側も、支援を受ける側も、法律をしっかり守ることがますます大切になります。

トラブルを防ぎ、会社の信頼を守るためにも、補助金申請支援を提供する事業者に資格があるか、どこまでの仕事を頼めるのかをきちんと確認しましょう。

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