人手不足や人材の定着率に悩む中小企業にとって、
「非正規社員を正社員にしたいけれどコストが心配…」
「待遇改善をしたいけれど資金が足りない…」
といった課題はよくあることです。
こうした企業を支援するために、国が用意している制度の一つがキャリアアップ助成金です。
この助成金は、非正規雇用労働者の処遇改善や正社員登用に取り組んだ企業に対して、返済不要で受け取れる支援金です。とはいえ、「キャリアアップ助成金があるのは知っているけれど、実際にいくらもらえるの?」と疑問に思う方も多いでしょう。
そこで本記事では、【令和7年版】キャリアアップ助成金の支給額を分かりやすくまとめ、さらに助成金に詳しくない方でも理解できるように、受給までの流れも解説します。
【令和7年版】キャリアアップ助成金はいくらもらえる?
では、実際にキャリアアップ助成金はいくらもらえるのでしょうか? 一番気になるその疑問にお答えします。
令和7年(2025年)版の主なコースと助成額を以下の表にまとめました。自社の取り組みに該当するコースと、それぞれの助成額をチェックしてみましょう。

上記の助成額はあくまで目安であり、実際の金額は対象となる従業員の状況や、取り組みの併用などによって変わります。厚生労働省のウェブサイト内、「キャリアアップ助成金」のページに掲載されているパンフレットやリーフレットを確認しましょう。
そして大切なのは、正しく要件を確認し、きちんとした手順で進めることです。次のセクションでは、助成金を受け取るために必要な4つのステップを、初心者の方にもわかりやすく解説します。
参照
厚生労働省HP 「キャリアアップ助成金」キャリアアップ助成金のご案内(令和7年度版)(リーフレット) 001512366.pdf (令和7年7月1日)
厚生労働省HP 「キャリアアップ助成金」キャリアアップ助成金のご案内(令和7年度版)(パンフレット) 001512871.pdf
厚生労働省HP 「キャリアアップ助成金」(短時間労働者労働時間延長支援コース)のご案内(パンフレット) 001512828.pdf
助成金をもらうための4つのステップ
キャリアアップ助成金を受け取るには、次の4つのステップを踏む必要があります。この流れを知っておくことで、申請漏れや手続きミスを防ぐことができます。
ステップ1:どんな企業・従業員が対象となるかを確認する
キャリアアップ助成金には、「全コース共通の支給要件」と「コースごとの要件」があります。まずは、自社が対象となるのか、そして対象となる従業員は誰なのかを正しく確認しましょう。
ステップ2:計画書を作成し提出する
処遇改善や正社員登用をいきなり始めても、助成金は受け取れません。事前に『キャリアアップ計画書』を作成し、管轄の労働局へ提出する必要があります。
キャリアアップ計画書を事前に提出していないと、助成対象外となってしまいます。「制度を導入したのに助成金がもらえなかった」というケースも少なくありませんので、必ず提出を忘れないようにしましょう。
ステップ3:計画を実行する
キャリアアップ計画書に記載した内容に沿って、対象となる従業員の正社員登用や、賃金規定の改定などを実施します。
このとき、労働条件通知書や就業規則の整備など、社内のルールに基づいた運用が求められます。書類に不備があると支給申請が認められないこともあるため、労働条件通知書や就業規則の整備も必須となります。
ステップ4:支給申請をおこなう
計画実施後に定められた期間が経過したら、必要書類をそろえて労働局へ支給申請をおこないます。
支給申請には、期限が定められています。期限を過ぎてしまうと助成金を受けられなくなります。「せっかくの取り組みが無駄になった…」ということにならないよう、期限管理を徹底しましょう。
まとめ
キャリアアップ助成金は、単なる「もらえるお金」ではなく、従業員のキャリア形成と企業の成長を同時に支えるための大切な投資です。
【令和7年版】では、正社員化や賃金アップなどの取り組みに応じて、数万円から数十万円の助成を受けられる可能性があります。キャリアアップ助成金をうまく活用することで、人材の定着率を向上させ、会社全体の成長につながる好循環を生み出すことができます。
ただし、受給のためには「対象となる条件を正しく理解すること」と「決められた手順を守ること」が欠かせません。
自社が対象になるのか知りたい方や、申請をスムーズに進めたい方は、助成金申請の専門家である社会保険労務士への相談がおすすめです。状況に応じた最適な提案や、複雑な申請手続きのサポートを受けられるので安心です。
キャリアアップ助成金は、制度を正しく理解して活用することで、従業員のやる気と企業の成長を同時に実現できる大きなチャンスです。【令和7年版】キャリアアップ助成金、あなたの会社ではいくらもらえるのか・・・。ぜひ一度チェックして、未来への一歩を踏み出してみませんか?