企業の運営において「就業規則」をどのような内容にするかは、従業員との良好な関係を築くうえでとても重要です。その中でも「休日」の定め方は、労働時間管理や従業員の働き方に直結する重要な項目になります。
「どのように休日を定めればいいのか?」「法定休日と所定休日の違いとは?」といった疑問を持つ経営者や人事担当者の方も多いのではないでしょうか。
本記事では、就業規則における休日の定め方について、具体的な記載例とともに、法的な根拠や注意点をわかりやすく解説します。
就業規則でお困りならご相談ください!
「就業規則をまだ作っていない」「昔作ったけど何年も見直していない」
「とにかく安く就業規則を作りたい」など
ぜひSATO社会保険労務士法人の
就業規則作成サービスをご利用ください
一般的な就業規則における休日の定め(記載例)
まずは、就業規則における休日の一般的な記載例をご紹介します。
第〇条(休日)
会社の休日は次の通りとする
(1)土曜日および日曜日
(2)国民の祝日(日曜日と重なった場合は翌日)
(3)年末年始(12月29日から翌年1月3日まで)
(4)夏季休日(8月13日~8月16日)
(5)その他会社が指定する日
2 会社は業務上の必要がある場合、前項の休日を他の労働日と振り替えることがある。
このように、休日を明確に規定することで、従業員の働き方に関する認識の統一が図れます。
就業規則には休日の定めが必要
就業規則には、休日についての規定を必ず記載しなければなりません。これは「絶対的必要記載事項」と呼ばれ、法律で義務付けられています。
絶対的必要記載事項を記載しなかった場合は、労基署から指摘をうけたり、労働基準法違反として30万円以下の罰金が科される可能性があります。また、就業規則に休日に関する記載がなかったり、内容が曖昧だと従業員とのトラブルにもつながりかねません。
そのため、就業規則を作成・改定する際には、必ず休日に関する記載を盛り込むようにしましょう。
就業規則に記載が必要な休日とは
労働基準法第35条第1項では、「使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。」と定めています。
ここでいう「休日」とは、労働契約に基づく労務の提供義務がない日を指します。
また、休日は原則として「暦日(カレンダー上の1日)」であり、午前0時から午後12時までの連続した24時間を含まなければなりません。仮に24時間連続して休ませたとしても、それが暦日をまたぐ場合には休日とは認められないため、注意が必要です。
法律では「1週間のうちのどの日を休日とするか」は会社の裁量に委ねられています。したがって、業務形態に応じて柔軟に設定が可能です。
法定休日と所定休日の違い
休日には大きく分けて「法定休日」と「所定休日」があります。
- 法定休日:労働基準法第35条に基づき、1週間に最低1日与えることが義務付けられている休日。
- 所定休日:会社が就業規則や労働契約で独自に定める休日。例えば、週2日制であれば、1日は法定休日、もう1日は所定休日と考えるのが一般的です。
企業側は自由に休日の日数を決めることができますが、労働基準法第32条で「1週間の労働時間は原則40時間以内、1日8時間以内」とされていることから、週2日休みにしている企業が多くなっています。
注意が必要なのは、法定休日に労働をさせた場合は「休日労働」となり、通常賃金の35%以上の割増賃金の支払いが必要となる点です。一方、所定休日に労働させた場合は「時間外労働」となり、割増率は25%以上となるため、両者の区別は非常に重要です。
法定休日を特定するべき?
法律上、会社が特定の日を法定休日として指定する義務はありません。
しかし、行政通達(昭和23.5.5基発682号、昭和63.3.14基発150号)では、「就業規則において、具体的な曜日等を明記することが望ましい」とされています。たとえば、「毎週日曜日を法定休日とする」といったように明確に定めることが推奨されています。
法定休日を特定するメリットとしては、従業員にとって休む日が明確になる点や、企業としても割増賃金の発生タイミングを把握しやすくなる点が挙げられます。ただし、法定休日を特定すると、その日に労働をさせた場合には休日労働となり、割増賃金が発生する点に注意が必要です。
振替休日とは
記載例の第2項において定めている、いわゆる「振替休日」とは、就業規則上休日と定められた特定の日を労働日に変更して、労働日とされている特定の日を休日にすることをいいます。
振替休日とよく似た制度に「代休」がありますが、両者は異なります。代休は、就業規則上の休日に実際に労働させた後に、その代わりとして労働義務を免除する日を労働者に別途与えるものです。
振替休日の場合は、事前に休日を他の日に変更しているため、変更前の休日に働かせても「休日労働」とはならず、35%の割増賃金の支払いは不要です。一方で代休は、実際に法定休日に労働をさせた後、別の日に休みを与える制度なので休日労働となり、35%の割増賃金の支払いが必要になります。
就業規則のことならお気軽にご相談ください
就業規則はただ作ればよいというものではなく、自社の実情に合った内容でなければ、逆に労使トラブルの原因となる可能性があります。
また、法律の改正や会社の業務内容・規模の変化に応じて、定期的な見直しも欠かせません。これらをすべて自社で対応するのは、手間も時間もかかります。
SATO社会保険労務士法人では、就業規則の作成から見直しまで、専門スタッフが丁寧にサポートいたします。個人事業主から上場企業まで、全国のお客様に対応可能です。
ご不明な点やご相談があれば、どうぞお気軽にお問い合わせください。
まとめ
就業規則における「休日」の定めは、法律上の義務であり、企業運営においても従業員との信頼関係を築くための重要な要素です。
「法定休日」と「所定休日」の違いを正しく理解し、自社に合った休日の運用ルールを定めましょう。行政通達を参考にしながら、できるだけ具体的に曜日や日付を就業規則に記載することで、従業員の働き方に対する安心感や会社の信頼性にもつながります。
就業規則の作成にあたっては、専門家に相談するのも一つの方法です。自社にとって最適な休日の定め方を検討し、働きやすい職場づくりに役立ててください。
就業規則でお困りならご相談ください!
「就業規則をまだ作っていない」「昔作ったけど何年も見直していない」
「とにかく安く就業規則を作りたい」など
ぜひSATO社会保険労務士法人の
就業規則作成サービスをご利用ください