従業員10人未満でも就業規則や36協定は必要?

従業員数名の会社経営者や個人事業主の中には、「従業員が10人未満なら就業規則も36協定も必要ない」と考えている方が少なくありません。

確かに就業規則は、常時10人以上の従業員がいる事業場でなければ作成・届出の義務はありません。しかし、36協定については人数にかかわらず、時間外労働や休日労働をさせるのであれば必ず必要になります。

本記事では、就業規則と36協定の違いや注意すべきポイントをわかりやすく解説します。


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目次

就業規則と36協定の違いを正しく理解する

小規模事業者の経営者の方からいただくご相談のひとつに、「従業員が10人未満なら就業規則も36協定も必要ないのでは?」というものがあります。

確かに「就業規則」については、常時10人以上の従業員がいる事業場でなければ作成・届出の義務はありません。しかし、36協定については従業員数に関わらず、時間外労働や休日労働をさせる場合には必ず必要になります。

この違いを理解しておくことが、労務管理では重要です。

就業規則は10人未満なら届出は不要

労働基準法では、常時10人以上の労働者を使用する事業場に対して、就業規則の作成・届出を義務付けています。ここでいう「常時」とは、日常的に10人以上が勤務している状態を指し、一時的な増減は考慮されません。例えば、いつもは8人の事業場で、単発アルバイトを3人雇用したからといって、就業規則の作成・届出が必要になるというわけではありません。

また、対象となる「労働者」は正社員だけではなく、パートタイマーやアルバイトも含まれます。例えば、正社員が8名、パート社員が2名の事業場では、就業規則の作成・届出が義務となります。この点は見落とされやすいため注意が必要です。

つまり、日常的に勤務している従業員が10人未満の事業場であれば、就業規則を作成して労働基準監督署に届出をする義務はありません。

ただし、義務がないからといって就業規則を作らないと、労使トラブルが発生した際に基準となるルールが曖昧になってしまい、思わぬリスクにつながるケースがあります。社内ルールの明文化という観点から、10人未満の事業場でも、あえて就業規則を作成するケースは少なくありません。

36協定は人数に関わらず必要

一方で、36協定(時間外・休日労働に関する協定届)は、従業員に時間外労働や休日労働をさせるのであれば、従業員が1人であっても必ず締結・届出が必要です。

労働基準法第36条に基づき、労使が合意し、その内容を労働基準監督署に届け出なければ、原則として法定労働時間を超える残業や休日出勤を命じることはできません。

つまり36協定は、就業規則と異なり、従業員数に関係なく必要であるという点が重要です。もし36協定を締結・届出をしないまま時間外労働や休日労働を命じた場合、労働基準法違反となり、罰則が科されるリスクがあります。

小規模事業場ではこの点を誤解しやすく、知らないうちに法違反にあたってしまうケースもあるため、特に注意が必要です。

36協定の締結から届出までの流れ

36協定を有効に機能させるためには、労使間での協議と合意、そして労働基準監督署への届出が必要です。基本的な流れは下記のとおりです。

まず、労働者代表を選出します。労働者代表は、過半数労働組合がある場合はその組合が、ない場合は労働者の過半数を代表する者が代表となります。労働者代表の選出後、労使間で、時間外労働や休日労働の必要性、対象となる業務の範囲、労働時間の上限などについて協議し、合意内容に基づいて36協定届を締結します。

次に、作成した36協定届を管轄の労働基準監督署へ提出します。届出を行ったあと、作業場に備え付けるなど、従業員に内容を周知することも忘れてはいけません。

これらの手続きを経て、初めて時間外労働や休日労働を命じることが法律上認められます。従業員10人未満の事業場であっても、例外ではなく、きちんと36協定の手順を踏んでおくことが不可欠です。

就業規則や36協定でお困りならご相談ください

就業規則や36協定の作成・届出は、法律に基づいて正しく行うことが求められます。もし手続きに不備があると、協定自体が無効とされ、労使トラブルや行政からの是正指導、さらには罰則の対象となる恐れもあります。

しかし、経営や日常業務をこなしながら、法令を正確に踏まえた書類を整えるのは簡単なことではありません。そこで専門家であるSATO社会保険労務士法人にご相談ください。私たちは企業の状況に合わせた就業規則や36協定を丁寧に作成し、安心できる労務管理の実現をお手伝いいたします。


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まとめ

従業員が10人未満の事業場では、就業規則の作成・届出義務はありません。しかし、就業規則は社内ルールを明確化し、トラブルを防ぐために任意で整備しておくことを強くおすすめします。

一方、36協定については人数に関係なく、時間外労働や休日労働をさせる場合は必ず必要です。締結から届出までの流れをきちんと理解し、法令遵守の下で働きやすい職場環境を整えていきましょう。

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