令和8年度|現物給与の価額と計算方法が見直されます

令和8年3月17日付で、厚生労働大臣が定める現物給与の価額の改正が公布されました。現物給与のうち、食事の価額については令和8年4月1日から、住宅に関する変更については令和8年10月1日から適用されます。

今回の改正のポイントは大きく二つです。ひとつは食事で支払われる報酬等に係る価額の改定、もうひとつは住宅で支払われる報酬等に係る価額と計算方法の見直しです。

食事については総務省統計局の「家計調査」と「小売物価統計調査」をもとに都道府県ごとの価額が見直されました。一方、住宅については「住宅・土地統計調査」をもとに価額が見直されるとともに、事務の簡素化・効率化の観点から計算方法も変更されました。これまで居住室面積を基準としていた面積の取り扱いを見直し、今後は総床面積を算定対象とし、畳数ではなく平方メートルによる単価方式へ改めるとされています。

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現物給与評価額(R8.4月改正予定・パブリックコメント).pdf

食事の現物給与価額についてみると、例えば東京都では、1人1月当たり2万5,500円、1日当たり850円、朝食のみ210円、昼食のみ300円、夕食のみ340円とされています。大阪府は月額2万4,600円、1日当たり820円、北海道は月額2万5,500円、沖縄県は月額2万6,400円となっており、地域の物価水準を反映した設定です。改正前後を比較すると、食事の価額は全体として引き上げとなる地域が多くなっています。

一方、住宅に関する現物給与については、価額と計算方法の両方が令和8年10月1日から改正されます。これまで住宅の現物給与は、居住面積を畳数で把握し、都道府県ごとの「1畳当たり」の価額を用いて計算する考え方でした。これに対し、令和8年10月以降は総床面積を算定対象とし、平方メートル当たりの単価により計算する方式に変更されます。面積の捉え方と単価の単位の両方が見直されるため、従来の計算方法とは考え方が変わることになります。

今回の改正により、企業の人事・労務部門では4月と10月の二つのタイミングで対応が必要になる可能性があります。特に社宅や寮などを現物給与として取り扱っている場合には、住宅の評価方法の変更に合わせて、給与計算システムの設定や社内の計算方法の確認などを見直す必要が出てくるかもしれません。現物給与を含めた賃金の取り扱いは社会保険や労働保険の算定にも影響するため、制度改正の内容をあらかじめ整理しておくことが重要になりそうです。

(参照「官報」https://www.kanpo.go.jp/20260317/20260317g00054/20260317g000540032f.html

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