被扶養者の認定|令和8年4月から労働契約内容によって年間収入を判定

厚生労働省は2025年10月6日、被扶養者の認定に関する新たな取り扱いを示す2つの通知を公表しました。これにより、2026年(令和8年)4月1日以降は、被扶養者の認定に用いる「年間収入」の判断方法が変更されます。

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これまで健康保険の被扶養者認定では、対象者の過去の収入や現時点での収入、将来の収入見込みを踏まえ、時間外手当などの所定外賃金の見込みも含めて今後1年間の収入見込みを算定していました。

今回の通知では、年間収入を「労働契約の内容に基づく賃金」で判定することが明確化され、雇用契約書や労働条件通知書に記載された時給・所定労働時間・所定労働日数等から見込まれる年間収入を基準とします。労働契約に明確な定めがなく契約段階で見込みにくい時間外労働に対する賃金等は、原則として年間収入に含めません。

この取扱いにより、労働契約の内容に基づいて認定を行う場合は、労働条件通知書など契約内容が確認できる書類の添付が必要となります。契約内容を示す書類が提出できない場合は、従来どおり勤務先発行の収入証明書や課税(非課税)証明書等により年間収入を判定します。

また、給与収入以外の有無については、認定対象者から「給与収入のみである」旨の申立てを求めることにより確認します。申立ては、健康保険被扶養者(異動)届の「扶養に関する申立書」欄への本人記載や、同届に添付する本人作成の申立書等により行うものとされています。

企業の人事担当者においては、扶養認定申請の受付時に、契約書面や賃金の定めを正確に確認する実務がより重要になります。認定の可否が実際の残業時間等ではなく、契約上の所定賃金を基礎に判断されることになるため、雇用契約時点での条件の明確化と、関連書類の整備・保管体制の見直しが求められます。

(参考)

・労働契約内容による年間収入が基準額未満である場合の被扶養者の認定 における年間収入の取扱いについてhttps://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T251006S0060.pdf

・労働契約内容による年間収入が基準額未満である場合の被扶養者の認定 における年間収入の取扱いに係るQ&Aについてhttps://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T251006S0070.pdf

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