令和8年|産業医の辞任・解任があったときの報告義務化へ

厚生労働省は、労働安全衛生規則の一部改正に関する省令案を公表し、パブリックコメントの手続きを進めています。今回の改正は、産業医の選任・解任に関する報告制度の見直しを目的としたものであり、企業の労務管理にも一定の影響が見込まれます。(参照:パブリックコメント「労働安全衛生規則の一部を改正する省令案について(概要)」https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/download?seqNo=0000308093

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現行制度では、常時50人以上の労働者を使用する事業場において、労働安全衛生法に基づき産業医の選任が義務付けられています。また、産業医を選任した場合には、その氏名などを所轄の労働基準監督署へ報告する必要があります。一方で、産業医が辞任・解任された場合については、これまで報告義務は設けられていませんでした。

こうした状況を受け、衆議院厚生労働委員会では、産業医の選任を促すとともに、解任の実態を労働基準監督署が把握できる仕組みの検証が求められました。今回の改正案ではこれを踏まえ、産業医が辞任または解任された場合、その氏名や辞任・解任の年月日などを所轄の労働基準監督署長へ報告することが新たに義務付けられます。

ただし、辞任や解任後に後任の産業医を選任し、その選任報告の中で前任者の情報(氏名や異動日など)を届け出た場合には、改めて辞任・解任の報告を行う必要はありません。企業の事務負担に配慮した措置といえます。

この改正については、公布が令和8年4月上旬、施行は同年8月1日が予定されています(いずれも現時点での予定)。

今回の見直しは、産業医の選任状況をより適切に把握し、未選任状態の是正につなげることを狙いとしています。特に、解任後に後任が速やかに選任されていないケースについては、これまで行政側で把握が難しい面がありましたが、今後は状況の可視化が進むことになります。

企業の人事・労務担当者にとっては、産業医の異動があった際の手続きの整理がこれまで以上に重要になります。正式な公布・施行に向けて、最新情報の確認とあわせて、社内の手続きフローの見直しを進めていくことが求められます。

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