【令和6年度】DXリスキリング助成金とは?対象講座や申請方法を解説

リスキリングは、従業員に必要なスキルや新たな知識を身につけさせる取り組みとして近年注目されており、2022年の岸田首相の所信表明や、2020年のダボス会議でも重要性が強調されています。同年、日本政府は個人のリスキリング支援に5年間で1兆円を投じる方針を示し、多くの企業が学習環境の整備や制度の構築を進めています。

特にDX(デジタルトランスフォーメーション)が進む現代においては、リスキリングは企業の成長や地方創生にもつながる欠かせない重要な要素です。

しかし、リスキリングの推進にはコストがかかるため、導入や運用に躊躇する企業も少なくありません。そのため、政府や自治体等では、企業や個人に向けたリスキリング推進を支援するための補助金や助成金を用意しています。

 今回はそのうちの一つである、『DXリスキリング助成金』についてわかりやすく解説していきます。

目次

DXリスキリング助成金とは?

『DXリスキリング助成金』とは、公益財団法人東京しごと財団が提供する助成金制度です。この制度は、東京都内の中小企業等※1が従業員に対して、DX(デジタルトランスフォーメーション)に関する研修を教育機関に委託して実施した場合、または eラーニングにより実施した場合、その経費の一部が助成されます。

企業が従業員にDXに関する研修を行う際のコストを軽減し、DX人材の育成を促進することを目的としています。これにより、中小企業がDXを推進しやすくなり、企業全体のデジタル技術の向上と成長を支援します。

※1.中小企業等とは、次の①および②に該当する事業者です。

  1. みなし大企業ではないこと
  2. 中小企業基本法第2条第1項の中小企業者に該当する者・・・会社法上の会社等(士業法人を含む。)及び個人事業主で、次の表に掲げるA、Bのいずれか一方(または双方)を満たすものをいいます。

DXリスキリング助成金の申請要件

DXリスキリング助成金に申請できるのは、前項に挙げた中小企業等に該当する企業や個人事業主です。その他にも、以下すべての要件を満たす必要があります。

  1. 都内に本社または主たる事業所(支店・営業所等)があること。
  2. 助成を受けようとする研修に要する経費について、申請企業等が全額負担していること。
  3. 助成を受けようとする研修について、国または地方公共団体等から助成を受けておらず、今後受ける予定もないこと。
  4. 過去5年間に重大な法令違反等がないこと。
  5. 労働関係法令について、次の①~⑦を満たしていること。
    1. 従業員に支払われる賃金が、就労する地域の最低賃金額(地域別、特定(産業別)最低賃金額)以上であること。
    2. 固定残業代等の時間当たり金額が、時間外労働の割増賃金に違反していないこと、また固定残業時間を超えて残業を行った場合は、その超過分について通常の時間外労働と同様に、割増賃金が追加で支給されていること。
    3. 法定労働時間を超えて労働者を勤務させる場合は、「時間外・休日労働に関する協定(36協定)」を締結し、遵守していること。
    4. 労働基準法に定める時間外労働の上限規制を遵守していること。
    5. 労働基準法第39条第7項(年次有給休暇について年5日を取得させる義務)に違反していないこと。
    6. 前記以外の労働関係法令について遵守していること。
    7. 厚生労働大臣の指針に基づき、セクシュアルハラスメント等を防止するための措置をとっていること。
  6. 都税の未納付がないこと。
  7. 風俗営業、性風俗関連特殊営業、接客業務受託営業およびこれらに類する事業を行っていないこと。
  8. 連鎖販売取引、ネガティブ・オプション(送り付け商法)、催眠商法、霊感商法等、公的資金の助成先として、適切でないと判断する業態を営んでいないこと。
  9. 暴力団員等に該当する者でないこと。
  10. 交付申請日から遡り、過去5年間に、偽りその他不正の手段等による交付決定の取消しがないこと。

DXリスキリング助成金の対象となる研修の要件

DXリスキリング助成金には、研修の要件も細かく定められています。以下すべての要件を満たさなくてはなりません。本助成金の申請を検討しているみなさまは、研修の要件を正しく理解しておきましょう。

  1. 次の①または②のいずれかに該当する研修であること。
    1. レディメイド研修(次のaおよびbを満たす研修)
      a.教育機関※2が計画した既存の公開研修※3であること
      b.集合研修※4またはeラーニングにより実施する研修
    2. オーダーメイド研修(次のaおよびbを満たす研修)
      a.申請企業等の従業員を対象として計画し、教育機関に委託して実施する研修であること
      b.集合研修であること
  2. 受講に係る経費が、受講者1人1研修単位であらかじめ定められていること。
  3. DX推進のために必要な知識・技能の習得・向上を目的とする研修または専門的な資格を取得するための研修であること。
  4. 通常の業務と区別できるOFF-JT※5であること。
  5. 研修に要する経費の全額を申請企業等が負担していること。
  6. 業務命令として労働時間内に研修を行い、所定の賃金を支払っていること。
  7. 助成を受けようとする研修について国または地方公共団体から助成を受けておらず、今後受ける予定もないこと。
  8. 交付申請時に提出した計画のとおりに実施すること。
  9. 令和6年4月1日から令和7年3月31日までの間に開始し、令和7年8月31日までに終了する研修であること。
  10. 1研修あたりの総研修時間数が3時間以上10時間未満であること。
  11. 受講者の受講状況について、教育機関の証明を受けられること。

なお、実績報告書の提出時に、研修の受講が確認できるものの提出が必要となります。 証明書等の発行等が可能か否か、交付申請前に申請企業等が教育機関に確認することをお奨めします。

※2.教育機関とは、職業に関する知識・技能の習得と向上を目的とした教育を行う団体及び組織等を指し、企業等や学校教育法の大学、専修学校、及び各種学校等のことをいいます。

※3.公開研修とは、不特定多数を対象として計画された研修で、受講案内及び受講に係る経費がホームページ等で一般に公開され、広く受講者を募集しているものをいいます。なお、申請企業等の従業員を対象として計画された研修は、公開研修に該当しません。

※4.集合研修とは、受講者が所定の時間に一斉に受講する研修のことをいいます。同時かつ双方向で行われるオンライン研修も含まれます。

※5.OFF-JT とは、通常の業務を離れ、社内の担当部署が考案したメニューや外部の研修機関が作成したプログラムを受講し、必要な知識やスキルの習得を図るものをいいます。

DXリスキリング助成金の対象受講者

DXリスキリング助成金には、助成対象となる受講者の要件も細かく定められています。以下すべての要件を満たさなくてはなりませんので、確認しましょう。

  • 申請企業等の従業員 である者。
  • 常時勤務する事業所の所在地が都内である者。
  • 研修ごとに、総研修時間数の8割以上を受講した者。

DXリスキリング助成金の助成額及び助成限度額

助成額は、助成対象経費の3/4です。1人1研修当たりの上限額は、7万5千円です。

また、1申請企業あたりの助成上限額は、100万円です。上限額に達するまでは、複数回の申請が可能です。

DXリスキリング助成金の申請書類・提出方法

交付申請書の提出時には、紙申請または電子申請のいずれかを選択してください。助成金請求に至るすべての手続きを、交付申請書の提出時に選択した申請方法によって行うこととなります。

紙申請の場合

提出方法:以下の送付先事務局宛てに、送付物の追跡が可能な方法(簡易書留、レターパック等)で、「申請書類在中」と記載の上、送付してください。

送付先: 〒102-0072 東京都千代田区飯田橋3-8-5  住友不動産飯田橋駅前ビル11階
公益財団法人東京しごと財団 「スキルアップ助成金」事務局

電子申請の場合

提出方法:デジタル庁が運営する補助金の電子申請システム「Jグランツ」を使用して申請します。「Jグランツ」のDXリスキリング助成金の申請フォームから提出してください。

注意事項:「Jグランツ」を利用するには、「GビズID」アカウントの取得が必要となります。この「GビズID」の発行には時間がかかるため、余裕を持って早めに準備をしましょう。

紙申請および電子申請の共通事項

提出期限:助成対象研修開始予定日から起算して1か月前まで
交付申請書受付期間:令和6年3月1日から令和7年2月28日まで

なお、予算を超過した場合は受付期間内であっても、受付を終了することがありますのでご留意ください。

提出代行者による提出:申請企業等の代理人が提出をする際には、紙申請であれば、委任状を添えて提出できます。「Jグランツ」を使用する電子申請では提出代行者による申請はできません。提出代行者による提出を検討している場合は、紙申請を選択してください。

提出書類について

提出書類の申請様式は、東京しごと財団ホームページ上のDXリスキリング助成金のページからダウンロードすることが可能です。

DXリスキリング助成金 | 東京しごと財団 雇用環境整備課 (shigotozaidan.or.jp)

また、提出書類一覧については、令和6年度DXリスキリング助成金の募集要項に詳細が記載されています。必要書類については、以下募集要項をご確認ください。

令和6年度 DX リスキリング助成金募集要項

まとめ

企業の成長には、リスキリングが非常に効果的です。そのため、企業は従業員にリスキリングの重要性を伝えることが大切です。リスキリングを推進することで組織力が強化されることを従業員が理解すれば、リスキリングの必要性についても理解が深まり、新しい価値が生まれ、モチベーションも向上するでしょう。

しかし、リスキリングを推進するためには、多大なコストがかかります。そこで、助成金を活用して企業の費用負担を軽減することが必要です。ただし、助成金の申請書類の作成や手続きには多くの時間と労力がかかるため、慣れていない場合は特に注意が必要です。社労士等の専門家のアドバイスや支援を受けることで、申請をスムーズに進めることができます。専門家の助言を参考にして、効率的に申請の準備を進めましょう。


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