【令和8年度最新】人材開発支援助成金とは?7つのコース・対象・申請の流れをわかりやすく解説

人材育成やリスキリングの重要性が高まる中、従業員の職業訓練にかかる費用負担を軽減する制度として活用されているのが、厚生労働省の「人材開発支援助成金」です。

人材開発支援助成金は、企業が従業員に対して職務に関連する知識・技能を習得させるための訓練などを実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部などを助成する制度です。令和8年度も7つのコースが設けられており、人材育成支援コース、人への投資促進コース、事業展開等リスキリング支援コースなど、訓練の内容や目的に応じて活用できます。

令和8年度は、人への投資促進コースへの新たな助成の追加や、事業展開等リスキリング支援コースの設備投資加算、中高年齢者向け訓練の新設など、複数の制度改正も行われています。

本記事では、令和8年度の人材開発支援助成金について、対象となる訓練や各コースの概要、助成内容、申請の流れをわかりやすく解説します。

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目次

人材開発支援助成金とは?対象となる企業・訓練の基本

人材開発支援助成金は、事業主が雇用する労働者に対して、職務に関連する知識や技能を習得するための職業訓練などを計画的に実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部などを助成する制度です。

対象となる訓練や助成内容はコースによって異なり、通常の職業訓練のほか、デジタル人材の育成、リスキリング、教育訓練休暇など、企業の人材育成目的に応じた制度が設けられています。

そのため、自社で研修や人材育成を予定している場合は、訓練を開始する前に、どのコースを利用できるか、対象者や訓練内容が支給要件を満たすかを確認することが重要です。

令和8年度の人材開発支援助成金|7つのコース

「人材開発支援助成金」には、以下の7つのコースが用意されています。各コースについて解説していきます。

1.人材育成支援コース

人材育成支援コースは、企業が雇用する労働者に対して、職務に関連する知識・技能を習得するための訓練などを実施する場合に活用できる制度です。

対象となる訓練には、職務に関連するOFF-JTのほか、一定の要件を満たすOJT付き訓練や、非正規雇用労働者の正社員化を目指す訓練などがあります。令和8年度には、「中高年齢者実習型訓練」も新設されています。

主な確認事項

人材育成支援コースを利用するには、対象となる事業主・労働者・訓練内容などについて定められた要件を満たす必要があります。

また、訓練の種類によっては、事前の計画届や認定手続きが必要になる場合があります。たとえば、認定実習併用職業訓練では、人材開発支援助成金の手続きの前に大臣認定の申請手続きが必要とされています。

実際の申請にあたっては、厚生労働省が公表している令和8年度版の詳細パンフレットや支給要領で、最新の要件と必要書類を確認してください。令和8年度版の詳細パンフレットも公開されています。

2.教育訓練休暇等付与コース

教育訓練休暇等付与コースは、事業主が有給の教育訓練休暇制度を導入し、労働者がその休暇を取得して訓練等を受けた場合に、一定の要件のもとで助成される制度です。

主な要件

  • 雇用保険の被保険者を対象とした有給の教育訓練休暇制度であること
  • 労働者の自発的な職業能力開発を目的とした制度であること
  • 制度を就業規則または労働協約に規定し、制度施行日までに労働者へ周知すること
  • 日単位で取得できる制度であること
  • 業務命令ではなく、労働者が自発的に教育訓練、各種検定、キャリアコンサルティングなどを受けるために利用できること
  • 3年間の制度導入・適用計画期間内に、企業全体の被保険者数に応じた人数へ、それぞれ5日以上の教育訓練休暇を付与すること
    • 被保険者100人以上:5人以上
    • 被保険者100人未満:1人以上

このほか、休暇取得日に対象となる教育訓練等を受けていることや、賃金を適正に支払っていることなどの要件があります。

助成額については、令和8年8月3日版では制度導入30万円、賃金要件等を満たす場合36万円とされています。

3.人への投資促進コース

人への投資促進コースは、デジタル人材や高度人材の育成、労働者の自発的な学び直し、定額制の研修サービスなど、企業の人材育成やリスキリングを支援するコースです。

対象となる訓練の内容に応じて、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部などが助成される場合があります。

令和8年度には、制度改正により「新規採用助成」「職務代行助成」が追加されています。

主な確認事項

対象となる訓練や助成内容は、訓練の種類や受講方法などによって異なります。

また、情報技術分野の一部訓練では、人材開発支援助成金の手続き前に、別途、大臣認定の申請手続きが必要となる場合があります。

実際の申請にあたっては、厚生労働省が公表している令和8年8月3日版の詳細パンフレット・支給要領で、対象訓練、助成内容、申請手続き、必要書類を確認してください。

4.事業展開等リスキリング支援コース

事業展開等リスキリング支援コースは、新規事業の立ち上げなどの事業展開等に伴い、新たな分野で必要となる知識や技能を習得させるための訓練を実施する場合に活用できる制度です。

対象となる場合には、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部が助成されます。

令和8年度には、厚生労働省から「設備投資加算を新設」したことも案内されています。ただし、加算の対象となる条件などは個別に確認する必要があります。

主な確認事項

このコースを利用する場合は、対象となる事業主・労働者・訓練内容などの支給要件を満たす必要があります。

申請書類として、厚生労働省は現在、「職業訓練実施計画届」や「事業展開等実施計画」などを案内しています。

また、令和8年8月3日にも制度改正が行われており、計画届の提出時期などによって経過措置が適用される場合があります。そのため、実際の申請では、計画届を提出する時点に対応した最新のパンフレット・支給要領を確認してください。

5.建設労働者認定訓練コース

建設労働者認定訓練コースは、認定職業訓練または指導員訓練のうち、建設関連の訓練を実施する場合などに活用できるコースです。

厚生労働省では、対象となる場合に、訓練経費の一部や、建設労働者に有給で認定訓練を受講させた場合の訓練期間中の賃金の一部を助成すると案内しています。

主な確認事項

対象となる事業主や訓練、受講者などについて要件が定められています。

また、令和8年度の申請様式では、経費助成・賃金助成のほか、一定の場合の賃金向上助成・資格等手当助成に関する申請様式も公開されています。

実際の申請にあたっては、厚生労働省が公表している令和8年度の支給要領・申請様式で、最新の要件や必要書類を確認してください。

6.建設労働者技能実習コース

建設労働者技能実習コースは、雇用する建設労働者に、技能向上のための実習を有給で受講させた場合に活用できるコースです。

対象となる場合には、訓練経費の一部や、訓練期間中の賃金の一部が助成されます。

主な確認事項

令和8年度の申請様式では、経費助成・賃金助成のほか、一定の場合の賃金向上助成・資格等手当助成に関する申請様式も公開されています。

また、受講者や訓練内容、事業主などについて支給要件が定められているため、実際の申請時には、厚生労働省が公表している令和8年度のパンフレット・支給要領・申請様式で最新の条件を確認してください。令和8年度版の支給要領とパンフレットも公開されています。

7.障害者職業能力開発コース

障害者職業能力開発コースは、障害者の職業に必要な能力を開発・向上させるため、一定の教育訓練を継続的に実施する施設の設置・運営などを支援する制度です。

なお、本コースは令和6年度から、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)が支給業務を行う、障害者雇用納付金制度に基づく助成金へ移管されています。

現在はJEEDにおいて、「障害者能力開発助成金」として、障害者の能力開発訓練を行うための施設・設備の設置や整備、訓練事業の運営に要する費用の一部を助成する制度が案内されています。

主な確認事項

制度には、施設・設備の設置等を対象とする助成と、能力開発訓練事業の運営を対象とする助成があります。対象となる事業主、訓練対象者、訓練内容などにはそれぞれ要件が定められています。

利用を検討する際は、JEEDが公表している最新の「障害者能力開発助成金」の支給要領・申請案内を確認してください。

人材開発支援助成金の申請の流れ

人材開発支援助成金は、コースによって申請手続きが異なりますが、人材育成支援コース、人への投資促進コース、事業展開等リスキリング支援コースなどでは、主に以下の流れで手続きを進めます。

1.対象となるコース・訓練を確認する

まず、実施予定の訓練がどのコースの対象となるか、対象労働者や訓練内容などの支給要件を確認します。

2.訓練実施計画を提出する

対象となる訓練について、職業訓練実施計画や訓練カリキュラムなどの必要書類を、管轄の都道府県労働局へ提出します。

主要な訓練系コースでは、原則として訓練開始日の1か月前までに計画届を提出する必要があります。

3.計画に沿って訓練を実施する

提出した計画に沿って訓練を実施します。訓練内容や受講状況、経費の支払いなどについて、支給申請時に確認できるよう必要な書類を保管しておきます。

4.支給申請を行う

訓練終了後、支給申請書や必要書類を管轄の都道府県労働局へ提出します。

主要な訓練系コースでは、原則として訓練終了日の翌日から2か月以内が支給申請期間とされています。

5.審査・支給決定

提出された書類について労働局で審査が行われ、支給要件を満たしていると認められた場合に助成金が支給されます。

なお、教育訓練休暇等付与コースや建設関係のコースなど、コースによって申請方法や期限が異なる場合があります。 また、厚生労働省では計画届の提出時期ごとに使用する申請書類を分けているため、実際に申請する際は最新のパンフレット・支給要領・申請様式を確認してください。

人材開発支援助成金を申請する際の注意点

人材開発支援助成金を利用する場合は、対象となる訓練を実施すれば自動的に助成金を受給できるわけではありません。 コースごとに、対象となる事業主・労働者・訓練内容や、計画届、支給申請などについて要件が定められています。厚生労働省では、各コースについて最新の支給要領や申請書類を公開しています。

また、制度改正によって必要書類や申請方法が変更される場合があります。令和8年度にも複数の改正が行われており、2026年5月14日には一定の場合に「受講料等の価格設定に関する疎明書」の提出が必要となる改正が行われています。さらに、2026年8月3日以降の一部の支給申請では、改正後の様式を使用する必要があります。

そのため、過去に同じ助成金を利用したことがある場合でも、以前の申請方法や様式をそのまま使用せず、申請時点の最新情報を確認することが重要です。

なお、厚生労働省は、人材開発支援助成金について「訓練経費は無料になりません」と注意喚起しており、不正受給を行った事業主は公表される場合があることも案内しています。

実際に利用を検討する際は、対象となるコースを確認したうえで、最新のパンフレット・支給要領・申請書類を確認し、必要な手続きを進めるようにしましょう。

人材開発支援助成金をはじめ、助成金・補助金の申請について専門家への相談を検討している方は、当法人の助成金・補助金申請支援サービスもご覧ください。

まとめ

人材開発支援助成金は、企業が従業員に対して職務に関連する訓練などを実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部などを助成する制度です。

令和8年度も、人材育成支援コース、人への投資促進コース、事業展開等リスキリング支援コースなど、企業の人材育成やリスキリングの目的に応じた制度が設けられています。

一方で、対象となる事業主・労働者・訓練内容、申請時期や必要書類などはコースによって異なります。また、年度途中に制度改正が行われる場合もあるため、利用を検討する際は、厚生労働省が公表している最新のパンフレットや支給要領を確認することが重要です。

自社で利用できる助成金が分からない場合や、申請手続きについて確認したい場合は、専門家へ相談しながら検討する方法もあります。

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