グローバル展開を検討する企業にとって、「どのように現地人材を確保するか」は重要なテーマです。
従来は現地法人を設立する以外に選択肢が限られていましたが、今、多くの企業が注目しているのが「EOR(Employer of Record)」という仕組みです。
本記事では、なぜ今EORが選ばれているのか、その背景と活用メリット、企業が得られる戦略的な価値について解説します。
アンケートご協力のお願い
近年、世界的な人手不足を背景に、「EOR(Employer of Record)」という雇用手法が注目されています。
弊社でも今後、EORに関する積極的な情報発信を予定しており、SATO-PORTALをご覧の皆さまが、EORにどのような関心をお持ちか、簡単なアンケートを通じてお伺いできればと思います。
ぜひご協力をお願いいたします。(所要時間:1~2分程度)
なぜ今、EORが注目されているのか
地政学リスク、為替変動、現地規制の変化など、グローバルビジネスは不確実性が増しています。そうした状況下で、「法人設立前に人材を確保し、状況を見て撤退・拡張の判断ができる柔軟性」を備えたEORが、これまで以上に価値を持ち始めました。
また、リモートワークの浸透により、「現地に拠点を置かずとも人材を活用する」ことへの心理的ハードルが大きく下がったこともEOR普及の追い風になっています。
グローバル人材確保におけるEORの強み
不確実な海外市場におけるスピードと柔軟性
EORを利用すれば、法人設立の手間をかけずに、数週間以内で現地人材を雇用することが可能です。これは、新規市場においてテスト的に人材を配置し、撤退・拡大の判断をすばやく下したい企業にとって、非常に大きな利点です。
法的・税務的リスクを軽減する仕組み
EORは、現地の労働法・税法・社会保険制度に精通したプロフェッショナル組織です。企業は「業務指示を出す側」として機能しつつ、雇用に伴う法的責任や管理業務をEORに委託することで、リスクを大きく軽減できます。
成功企業が実践するEOR活用のパターン
東南アジアへの段階的な進出モデル
ある日系企業は、東南アジア進出を計画するにあたり、まずシンガポールで営業とカスタマーサクセス人材を1名ずつEOR経由で雇用しました。現地の需要を数カ月間モニタリングした結果、法人設立の判断に至り、EOR契約を従来の現地法人雇用にスムーズに移行させました。
採用競争の激しい市場での先行確保
北米・欧州などIT人材の採用競争が激しい地域では、法人設立を待たずに優秀人材を確保するため、EORを使って「今すぐに採用する」ことが重要です。人材流動性の高いグローバル市場においては、EORが採用成功のカギを握ります。
EOR活用を成功させるための3つのポイント
- 事前の法的調査とプロバイダー選定
EORの対応国や業務範囲は各社で異なるため、事前調査が重要です。 - 従業員との契約条件のすり合わせ
給与支払通貨や税制、退職金制度など、文化・制度の違いを踏まえた明確な契約を行いましょう。 - リモートマネジメント体制の整備
EORによって雇用する人材は原則リモート勤務です。オンボーディングや評価制度など、人事体制の見直しも不可欠です。
まとめ
グローバル展開が戦略的な選択となる今、「いかに早く、低リスクで現地人材を確保するか」は大きな競争優位性となります。
EORは、法人設立不要で海外雇用を実現する手段として、すでに多くの海外企業が取り入れています。日本企業にとっても、この柔軟な手段をいかに活用するかが、今後のグローバル人材戦略を左右するといえるでしょう。
EORの基本的な仕組みについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひご覧ください
