令和8年8月、令和9年8月から高額療養費制度の見直しへ

厚生労働省は、高額療養費制度について、令和8年8月および令和9年8月から段階的に見直す方針です。これに関連して、e-Govパブリック・コメントでは、6月6日付で「健康保険法施行令等の一部を改正する政令案に関するご意見の募集について」が公示されました。

(パブリックコメント:https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/download?seqNo=0000315664

高額療養費制度は、医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が一定の上限額を超えた場合に、その超えた額が支給される仕組みです。上限額は年齢や所得に応じて定められており、家計に対する医療費の自己負担が過重にならないようにする役割があります。

今回の見直しについて、厚生労働省は、制度全体の持続可能性を確保する観点から、低所得者への配慮を行いつつ、主に療養期間が短期の方に追加の負担を求める一方で、長期療養者や低所得者へのセーフティネット機能を強化するとしています。

令和8年8月からは、低所得者の負担に配慮しつつ、一人当たり医療費の伸びに応じて月額負担上限額が見直されます。あわせて、新たに年単位の上限額である「年間上限」が設けられます。厚生労働省の資料では、月ごとの自己負担額が積み上がっても、年間上限に達した後は、それ以上の医療費について保険者から還付を受けられるとされています。年間とは、8月から翌年7月までを指します。

また、長期療養者への配慮として、「多数回該当」の金額は維持される予定です。多数回該当とは、直近12か月の間に高額療養費に該当した月が3か月以上ある場合に、4か月目以降の自己負担限度額がさらに軽減される仕組みです。なお、年収約200万円未満の課税世帯の被保険者等については、令和9年8月から多数回該当の金額を引き下げることも示されています。

令和8年8月から高額療養費制度の見直し内容

令和9年8月からは、応能負担の考え方に基づき、所得区分がより細かく分けられる予定です。パブリック・コメントに掲載された政令案の概要では、令和8年8月から令和9年7月までと、令和9年8月以降について、所得区分ごとの負担割合、月単位の上限額、年単位の上限額などが示されています。

令和9年8月からの高額療養費制度の見直し内容

企業の担当者にとっては、従業員から健康保険や医療費負担に関する問い合わせがあった際に、制度変更の概要を説明するうえで押さえておきたい内容です。特に、高額な治療を受ける従業員や家族を持つ従業員に関わる可能性があるため、今後の政令公布や保険者からの案内も確認しておくとよいでしょう。

この記事をシェア
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次